CFO がデータだけではなくストーリーを必要とする理由とは？

[RishiK]

お気に入りの映画やテレビドラマを思い浮かべてみてください。強烈なキャラクター、面白い会話、素晴らしい音楽、手に汗握るミステリーなど、そこには必ず好奇心や探求心を満たす何かがあるはずです。そして、それらの要素が心に響くことで、物語に引き込まれていくのです。では、筋書きが多く、ストーリーがわかりにくい映画やドラマはどうでしょうか？途中で観るのを断念して、他の作品に目を向けたりしがちではないでしょうか。
 

「それがデータとどう関係あるのか？」と思われたかもしれませんが、皆さんは毎日、データを通じてストーリーを語っているのです。パワーポイントのスライドやダッシュボードにチャートやグラフを表示するときには、オーディエンスに対してストーリーを語っています。今年の原材料の値上げ、今期の従業員の生産性低下、会社の劇的な増収など、良いニュースも悪いニュースもありますが、ほとんどの場合において、何らかの是正措置が求められるニュースとなっています。オーディエンスがそうしたストーリーに沿って行動を起こすためには、データを見て、理解し、信頼するだけでなく、ストーリーを感じ取ることが重要です。

データの視覚化によるストーリーテリングは 1800 年代初頭から行われており、多くの人命を救ってきました。

当時の医療界で活躍していたジョン・スノー医師は、データの視覚化により、コレラが水を介して広がっていることをロンドンの他の医師に知らしめました。スノー氏は、コレラによる死者が発生した場所を黒い棒グラフで示しました。

（出典：記事）

スノー氏が示したグラフを見ると、井戸ポンプが設置されている地域の周辺の死亡者数が多くなっていることがわかります。
 

（出典：記事）

その後、ポンプを閉鎖したところ、コレラの患者数は着実に減少していくこととなったのです。
 

優れたデータストーリーが CFO に与える影響

企業では日々、多くの数字が飛び交っています。それらの数字に文脈やストーリーを与えれば、その価値を高められるようになります。企業の業績を向上させるための意思決定を行うには、入手可能なデータを適切に分析し、数字を効果的に提示し、問題点を特定できるようにすることが重要です。以下に、優れたストーリーテリングが CFO にもたらすメリットを見ていきます。

ストーリーの要点にフォーカスする

データのストーリーを語るには、データを提示する前に「このグラフで何を答えようとしているのか」と自問することが肝心です。その点を把握できれば、ポイントとなる変化について語り、答えにたどり着くことが可能になります。

このプロセスは、設定（起点）、対立（通過点）、解決（終点）というシンプルな3ステップに置き換えることができます。データが多くの無作為な質問に答えるのではなく、1 つの大きな質問に答えることができ、より効果的な質問を自動的に行うことができる環境を構築できれば、CFO の注意を適切な場所に向けることができるようになります。
 

例えば、このグラフが良いストーリーを示していないことは明らかですが、ぱっと見ただけでは、どんな点に注目すべきか戸惑いを覚えるのではないでしょうか。軸が複数あり、さまざまなストーリーが考えられるため、何を言いたいのかを捉えにくいのです。
 

（出典： ビデオ）

このグラフでは、評価の低下という 1 点のみにフォーカスすべきだったのかもしれません。
このようなミスは、ストーリーテリングのテクニックに従えば回避可能です。CFO が必要とする指標をわかりやすく表示できるダッシュボードに自動送信して、定期的に更新すれば、日々の業務が円滑に進むようになります。
 

ストーリーでデータを実用的な洞察に変換

CFO にデータのストーリーを伝えることで、重要な指標を実用的な洞察へと変えられるようになります。主要なビジネス目標に沿うだけでなく、数字を行動を促すストーリーに変換しながら、主要な業績評価指標を分析できるようになります。
 

その実現に役立つのが Alteryx Auto Insights です。  Alteryx Auto Insights では、直感的な GUI を通じて、目的に最も適した KPI や指標を選択し、データにまつわるストーリーを自動的に構築することが可能です。

（出典：Alteryx Auto Insights）

以下に私の毎日の歩数の履歴を示した Google Fit のアプリのスクリーンショットを掲載します。

週次分析でもある程度の気づきは得られますが、より目を引くのは月次分析のバブルチャートです。データの一貫性（または一貫性のなさ）を把握でき、さらに記憶に残る内容となっています。今後、夜のウォーキングを予定から外そうと思ったときに、思いとどまるための良いきっかけになるかもしれません。

 

（出典：個人携帯の Google Fit アプリのスクリーンショット）

ストーリーでグラフを使用してプロセスを強化

前述した通り、すべてのストーリーには明確な道筋（起点、通過点、終点）があります。最近、CFO 向けのネットワーキングイベントの進行役を務める機会があったのですが、参加者のほぼ全員が「多くのダッシュボードを使用しているが、その意味することや、伝えようとしていることが理解できていない」と口にしていました。

以下の図では、棒グラフを用いて毎月の IT チケットの受信数と処理数を示しています。言いたいことはわかるのですが、読者に新たな気づきを与えているとは言えません。

（出典：ビデオ、書籍）

しかし、次の代替案では、「なぜ」数字が変化したのかを物語っており、是正措置を促すものとなっています。

（出典：動画および書籍）

では、Alteryx Auto Insights を使用した例を見てみましょう。こちらでは、Exclusive Amount が増加していることがわかります。

（出典：Auto Insights）

そして、この傾向を引き起こした傾向を自動的に確認し、なぜそのような傾向が生じているのかを理解できるようになっています。

（出典：Auto Insights）

その理由をさらに掘り下げることもできるため、CFO がより良く詳細を理解することが可能です。

（出典：Auto Insights）

最近、円卓会議のイベントでCFOと話した結果、CFOが必要とするストーリーや重要なストーリーは、通常、作成に時間がかかると述べました(視覚化ではなく、アナリストがそれをサポートするために自分で書かなければならない解説とデータストーリーテリング - そしてこの解説はデータが更新されるたびに変わります)。 したがって、CFOは、多くの場合、四半期ごとに、運が良ければ毎月、これらのタイプの情報を取得します。 しかし、Alteryx Auto Insightsを使用すると、このデータストーリーテリングが自動化され、アナリストが指を離すことなく、毎週CFOに出向くように新しいInsightsをスケジュールできるため、ビジネスに脈拍をかけることができます。

ストーリーでコミュニケーションとエンゲージメントを促進

お客様やその他のステークホルダーと良好な関係を維持し続けることは、多くの企業が直面している困難な課題です。お客様は、ダッシュボードで説明されているプロセスの内情を常に把握しているとは限りません。例えば、CFO は製造部門の機械の機能について知識を持ち合わせていないかもしれませんが、その機械に問題がある場合には、説明を行わなければなりません。その場合には、財務担当者が納得できるような KPI や施策に焦点を当て、効果的にプレゼンテーションする方法を検討する必要があります。 

効果的なコミュニケーションには、筋書きに関連するフレームワークやビジュアルの使用が不可欠です。優れたストーリーテリングによって、情報が理解しやすく、親しみやすいものになれば、専門家からまったくの初心者まで、誰もが興味を持つことが可能となります。このようにして、エンゲージメントが高まれば、ブレインストーミングの余地も増え、プロセス全体の改善にもつながります。
 

ストーリーで視覚に訴える

スマートフォンが普及した現代では、よくわからないものをじっくり読む忍耐力や注意力が加速度的に低下しています。オーディエンスの注目を集めるためには、データを視覚化してアピールすることが重要です。

また、データを視覚化することで、情報がより長く記憶に留まるようになります。つまり、CFOは会議の後もずっと調査結果について考えを巡らせることになるでしょう。

結論

毎分生成される膨大な量のデータは、適切に解釈されない限り役に立ちません。どの組織も大量のデータを保有していますが、効果的なストーリーテリングを行うことができれば、それらのデータを有効活用できるようになります。専門家は世界で最も優れたストーリーテラーであり、誰もがそうであるべきです。

数字を視覚的に表現し、CFO が組織にとっての最適な意思決定を行えるようになるために、Alteryx Auto Insights で、今すぐストーリーの改善に着手しませんか？